MtBook US Leagal Services/在米日系企業・在留邦人のためのリーガルサービス

家族法

「婚前契約」

アメリカ 弁護士 法律事務所 法律 婚前契約結婚式とは、伝統的に家族、儀礼、そして慶賀です。この伝統をまもるために、多くのカップルは、この大事な日の前に金銭問題をはっきりさせようとしています。時々、結婚を考えているカップルのどちらか(又は両方)は、離婚の際、資産、収入、または家族のビジネスを失うリスクを避けたいと考えます。2回目か3回目の結婚となる人が、自分の資産や個人的な所有物が、新しい妻との間ではなく、昔の妻との間の子供や孫に渡るように希望する場合もあります。

法律は、こういった問題を解決できる方法(婚前契約)を生み出しました。プレナプチュアル又は婚姻前契約としても知られる婚前契約は、普通は有名人が交わしたとか、(元ビートルズのポール・マッカートニーの場合のように)交わせなかったとかが、ニュースとして取り上げられます。しかし、婚前契約は金持ちと有名人だけのためではありません。これは、新しい結婚生活が破綻した際、離婚裁判所が財産分割又は配偶者の扶養を判断するにつき、自分の考えを明確にしあいまいさをなくしたい全ての人のためにあります。

夫婦が有効な婚前契約へ署名していれば、離婚又は死亡の際には、裁判所が適用する通常の規定ではなく、契約内容により財産の権利及び扶養義務が決定されます。契約により、配偶者に州法上の定めより多くも少なくも分割できます。大部分の州では、裁判所が、公平を基準として財産を分割するので、折半するか又はその他の分割になるか、結論は予測しがたいのです。夫婦の一方が死ねば、裁判所は通常遺言の内容に従いますが、大部分の州では、残された配偶者は、遺言の内容に関わらず、財産の3分の1から2分の1の権利があります。

夫婦が有効な婚前契約に署名していれば、離婚や死亡時には、通常の法律の代わりにかかる契約が財産と収入の分割を決定するのです。多くの場合、婚前契約によって、財産の少ない方の配偶者は、離婚又は遺言に関する通常の法律の定めよりも少ない額を受取ります。

一般的には、婚前契約は両当事者が文書に署名しなければなりません。大部分の州では、両当事者には互いの収入と資産の明確な文書開示が要求されます。このようにして、両当事者は、何を放棄しているかをよりよく認識できるのです。収入と資産の完全な開示を免除できる州もありますが、かかる放棄は自発的にされなければならず、その場合でも相手方の本当の資産額についての大まかな情報を理解するのは重要です。

多くの州では、婚前契約に署名する時期は規定されていません。しかし、一般的には、それぞれが内容の全てを吟味し自発的に署名したと示すために、結婚式まで余裕のある時期の交渉及び契約への署名が望まれます。財産の多い方の配偶者が結婚式の前日に婚約者に契約書を示したならば、裁判所は後々契約が強制されたとして無効と判断する可能性があります。土壇場での婚前契約は自動的には無効とはなりませんが、タイミングは契約が有効か判断する重要な要素です。

もちろん、婚前契約は、詐欺又は強要の結果であってはなりません。夫婦の一方(特に財産のある方)が故意に財産をごまかした場合、契約は詐欺により無効とされる可能性が高いでしょう。たとえば、夫が将来の妻に対して財産を隠して、離婚の際には少額の援助で済むように同意させたならば、裁判所はおそらく契約を無効にするでしょう。同様に、一方が他方に対して契約に署名させようと過度の感情的なプレッシャーをかけた場合、裁判所は強要を理由として契約を無効と宣言する可能性があります。

弁護士は、契約書が正しく作成され、両当事者が予め承知して判断できるよう確認してくれます。通常は、多くの財産を持つ当事者の弁護士がまず契約書を作成し、財産の少ない方の当事者が自分の弁護士に契約書を検討するように依頼します。有効な契約とするために弁護士に依頼する必要はありませんが、各々の当事者が代理されており、本格的な交渉のやり取りがあれば、契約が有効となる可能性が高くなります。当事者のうちの一方に独自の弁護士がいなければ、契約は問題ありとされる可能性が高まります。

弁護士は、婚前契約が法的に有効で、目的に照らし有効か確認するだけでなく、結婚の前に、計画を実現するために信託などの他の方法がないか検討してくれます。

(2007年春)

コメント

コメントしてください




保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)

PageTop